日本の山菜の歴史におけるこごみの位置づけ

山菜の中のこごみ こごみ

こごみ(正式名称:クサソテツ、学名:Matteuccia struthiopteris)は、シダ植物の一種で日本では特に東北や北海道などの涼しい地域で多く見られます。

山菜の歴史の中で「こごみ」の明確な記録は多くありませんが、縄文時代にはすでに山菜が食べられていたことから「こごみ」もその頃から採取されていた可能性が高いと考えられます。

シダ類は古くから食用や薬用として利用されていたため「こごみ」もまた自然と人々の食卓に上っていたことでしょう。

文献の中で「こごみ」が具体的に登場するのは江戸時代頃とされています。

例えば、東北地方の農村では春になると山に入り「こごみ」の新芽を摘むことが季節の風物詩とされていました。

また保存が利く山菜としても重宝され、茹でて干したり、塩漬けにしたりして冬の食料として備蓄されていたようです。

「こごみ」はアクが少なく下処理が簡単で食べやすいため昔から多くの人に親しまれてきたのでしょう。

味わいの面でも「こごみ」はほろ苦さとシャキッとした歯ごたえが特徴で、天ぷらやおひたしにするとその素朴な風味が際立ちます。

江戸時代の料理本には「こごみ」という名称が記載されている例は少ないものの「春の若芽」などの表現で紹介されている山菜の中に「こごみ」が含まれていた可能性はあります。
当時の庶民にとって、こうした山菜は貴重なご馳走でもありました。

現代では「こごみ」は比較的メジャーな山菜となり春になるとスーパーでも見かけることができます。

しかし、やはり山で自ら採取した「こごみ」をその場で調理して食べるのが最も美味しいと感じる人も多いでしょう。

特に東北地方では「こごみ」を酢の物や味噌和えにするなど地域ごとに独自の食文化が根付いています。

「こごみ」の歴史を振り返ると、日本の山菜文化の縮図のようなものが見えてきます。

自然と共に暮らし四季の恵みを大切にしてきた日本人の生活が「こごみ」を通じて感じられるのではないでしょうか。

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